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はじめに
ロービジョンとは、眼鏡やコンタクトレンズ、手術、医療治療などの従来の方法では視力の改善が困難な視覚障害のことを指します。
ロービジョンの患者さんは、日常生活の中で視覚的な困難を抱えることが多く、その影響は生活の質にも及びます。そこで、ロービジョンケアは、視力の低下が生活に及ぼす影響を最小限に抑え、患者さんができる限り自立した生活を送るための支援を目的としています。
ロービジョンケアの重要性
ロービジョンの状態は、加齢黄斑変性症、緑内障、糖尿病網膜症、網膜色素変性症などの疾患によって引き起こされます。これらの疾患は進行性であり、完全な治療法がないため、視覚の低下を止めることができない場合があります。
しかし、適切なロービジョンケアを受けることで、視覚障害が生活に与える影響を大幅に軽減することが可能です。
ロービジョンケアのアプローチ
ロービジョンケアは、以下のような多角的なアプローチを用います。
1. 残存視力の評価
ロービジョンケアの第一歩は、患者さんの残存視力を正確に評価することです。視力検査だけでなく、視野検査、色覚検査、対照感度検査などを行い、視機能の詳細な情報を収集します。
2. 視覚補助具の提供
視覚補助具は、患者さんの残存視力を最大限に活用するための重要なツールです。拡大鏡、ルーペ、望遠鏡式眼鏡、電子拡大読書機、コンピュータ画面の拡大ソフトウェアなど、多様な視覚補助具があります。これらは、患者さんの個々のニーズに合わせて選定されます。
3. 環境調整
住環境や職場環境の調整も重要な要素です。適切な照明の設置、コントラストの強調、物の配置の工夫などを通じて、視覚的な困難を軽減します。例えば、読書や料理の際に十分な照明を確保すること、階段の縁に明るい色を塗ることで段差を視認しやすくすることなどが挙げられます。
4. 視覚リハビリテーション
視覚リハビリテーションは、患者さんが視覚補助具を効果的に使用する方法を学ぶことや、新しい視覚的なスキルを習得することを支援します。例えば、視覚的な検索技術や、拡大鏡を使用した読書の方法、白杖を用いた歩行訓練などがあります。
5. 心理社会的サポート
視覚障害は、心理的なストレスや社会的な孤立を引き起こすことがあります。ロービジョンケアの一環として、心理カウンセリングやサポートグループへの参加を奨励し、患者さんが精神的なサポートを受けられるようにします。
患者さんとの協力
ロービジョンケアは、医療専門家と患者さんの協力が不可欠です。
患者さんの生活スタイルやニーズを十分に理解し、それに基づいたケアプランを立てることが求められます。また、患者さん自身が積極的にケアに参加し、自立した生活を目指す意欲を持つことも重要です。
家族や周囲のサポート
患者さんの家族や周囲の人々も、ロービジョンケアの成功において重要な役割を果たします。家族は、患者さんの日常生活の支援を行い、視覚補助具の使用方法を理解し、適切なサポートを提供することが求められます。医療専門家は、家族に対しても適切な教育やアドバイスを行い、患者さんを取り巻くサポート体制を強化します。
最後に
ロービジョンケアは、視覚障害を持つ患者さんが自立した生活を送るための重要な支援です。
残存視力の評価、視覚補助具の提供、環境調整、視覚リハビリテーション、心理社会的サポートなど、多角的なアプローチを通じて、患者さんの生活の質を向上させることを目指します。患者さんとその家族、医療専門家が協力し合い、個々のニーズに応じたケアを行うことで、視覚障害を持つ方々がより充実した生活を送ることができるようになるでしょう。
当院では副院長の一尾多佳子先生がロービジョンケアの専門です。
気になる人、話を聞いてみたい人はクリニックにお問い合わせください。上記の理由のために一人ひとりにオーダーメイドの治療が必要なため、カウンセリングに時間がかかります。
ですので完全予約制になっていますので事前にお電話などでお問い合わせください。